ひしね神さん・石打山観音
広島県安芸高田市向原町戸島


 同県の福山市にお住いの藤井英樹さんから頂いた資料をもとに作りました。
JR芸備線の向原駅から北へ約8kmの広島県県道29号線の赤峠近くの道路脇の石打山観音寺と書かれた祠にひしね神さんが祀られている。
ひしね神さんはいぼ神さんでひしねさんともいわれています。
『ひすね』は中国地方の疣の方言です。
日本国語大辞典によると隣県の島根県には『ひしね』『へしね』『ししね』『しね』の方言があります。
島根県出雲地方にはいぼとりのおまじないに『すねすね』とか『ひすねひすね』があります。(2015年7月8日記)

県道29号線脇の
説明板の後方に
ひしね神さん
ひしねさんの祠の前に
窪みのある石があり
水が溜まっている
戸島地区振興会の
ひしね神さんの説明板


祠の前にある戸島地域振興会の説明板には次のように書かれている。

~この観音さんは石打山観音で世人はひしね神さん(疣神さん)という。ひしねはもとより、あせも、
 みずかさなど皮膚病にもよく効くといって日曜日など子どもを連れて参詣し、この水でわずらって
いるところを洗い、一升瓶に汲んで帰る人も多い。また病人は病人はこの水で薬を飲めばよく効くと
いって喜ばれている。

今も庶民の信仰は草の根のように根強くここに生きている。昔は、この上の大きな岩を背にしてお堂
があり、お堂の前の平地で風呂をわかして薬湯といって近くの人は勿論、吉田方面からも多く入湯に
来ていたといわれる。

お堂の真下に坂および長田方面から吉田に通ずる旧道があり茶屋もあった。歩いて赤峠、白峠を越す
人は必ずここにお参りして汗をふきながら、この清水を飲んだものである。
本尊は白雲観音という観音さんの額の金の玉を盗まれたときここ奥原から向いの丸山へおろしてほしい
と枕神に立たれ現在は観音堂に祀ってある。~戸島地域振興会

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