吉冨(綿山)のいぼ地蔵さん
兵庫県神河町吉富


 同県の豊岡市に住むSさんから頂いた資料を殆どそのまま掲載させて頂きました。
~姫路から北に向かって、生野峠そして天空の城・朝来竹田城跡へと通じる国道312号を進みます。
神河町(かみかわちょう)に入って、神崎高校、公立神崎総合病院、神崎郵便局を右に見て越知川に架かる新神崎大橋
の手前、粟賀(あわが)交差点からさらに北へ約5~600mのところに神崎町コミュニテイバスの吉富南口バス停がある。

 吉冨のいぼ地蔵さんは、このバス停の右奥6~70m先の山裾、町道裏坂線(旧但馬街道・銀の馬車道)脇に存在する。
コンクリート製の四段の石段の先に、間口75cm、高さ180cmの瓦葺の祠の中に吉冨の地蔵さんがおられる。
扉が閉まっており拝見することが出来なかったが、村人の話では座位の石像とのことである。

 祠のすぐ前の小さな岩穴から少量の水が絶え間なく流れ出ており、岩に掘られた25×20cm程度の水溜に
澄んだ清水が溜まっていて、これをいぼにつけてお願いするとイボがとれると言われている。
 石段の右には「いぼ地蔵尊  平成五年八月二十三日  戸田組  仲居組  銀の馬車道」の刻印のある石柱、
左には平成20年に「神戸新聞社創刊110周年記念事業『私の町の宝物』110選に選ばれた」との説明版が設置されている。

 また、この地蔵の祠周辺は、嘉平・応仁の乱における赤松氏・山名氏の激戦地(裏坂法楽寺、大山口、真弓峠の戦)でもあり、
明治以降は、生野銀山から姫路播磨港への鉱石を運ぶ産業道路『銀の馬車道』として、歴史に登場する地域でもある。~

 余談ですが、全国リストに吉冨のいぼ地蔵を綿山のいぼ地蔵と掲載していました。
今は無くなってしまったサイト『伝説・民話めぐり』の勘九郎の狐退治(吉冨)に掲載されていたからです。
この近辺を綿山といい、よく人にいたずらをする狐がいて、提灯の灯を消したり、酒に酔った人を山の中に連れて行ったり、
いぼ地蔵のすぐ北にある『裏坂の池』に落としたりしたした綿山の狐を改心させた吉富の野上の威勢の良い馬子の昔話です。
(2016年10月1日記)

新神崎大橋の手前の粟賀交差点
この先約5~600m先に吉富のいぼ地蔵
画面右に吉冨南口バス停
ギフトショップ脇の道の奥の山裾に地蔵祠
バス停看板の拡大、写真左にいぼ地蔵祠 銀の馬車道の北方向から眺めたいぼ地蔵祠
銀の馬車道の南方向から眺めたいぼ地蔵祠 地蔵祠の階段の岩穴から湧き水が見られる
銀の馬車道の案内板の前の道分け石と大橋の石
~道分け石に「右たんば 左たじま・たんご」
銀の馬車道の案内板の拡大
青い点線旧但馬街道・赤い点線旧銀の馬車道
銀の馬車道に「嘉吉・応仁の乱 赤松氏・山名氏
激戦の地」の案内碑がありました。
綿山のいたずら猿が人をだまして落とした
裏坂(うらざか)の池


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